雀のつづら

読んだ本や気になった物について書いていく

【本】隣の席の佐藤さん2

山口君と佐藤さんの高校最後の文化祭から卒業後の新たな出発の物語。

 

前作から続いて2人の日常が書かれている。

佐藤さんのことを地味・とろい・気が利かないと評価しながらも、その部分を可愛く思って魅力に変換している様子はあばたもえくぼってやつだなと山口君の変化が前作に続いて面白い。

恋敵が登場することもなく、大きなトラブルに巻き込まれることもなくゆっくりと進んでいく。先を予想せず気軽に読めるがもう少し刺激が欲しかったなとも思う。

 

自分も鈍くさかったり、ズレた言動をする側なので前作通して佐藤さんの様子を読んでいると「あぁ・・・」と羞恥心の様ななんとも言えない気持ちが湧き上がってくる。

【本】隣の席の佐藤さん

捻くれていて要領の良い山口君とおっとりして少しずれてる佐藤さんの恋の話。

 

山口君の佐藤さんは「可愛くない」から、「可愛い」への気持ちの変化が書かれている。最初は隣の席の苦手な女の子と思っていて、可愛くない・楽しくない・気が利かないと結構厳しい評価から気になる存在になっていく様子が可愛いなと感じた。

何処にでもいる2人の日常に特別感を感じる話だった。

【本】「おいしさ」の錯覚 最新科学でわかった、美味の真実

五感の全てを使った美味しさを研究する「ガストロフィジックス」について書かれてる。

 

食への追求は終わりが無いのだと感じた一冊だった。

食器の感触、空間内の香りや光に流れる音楽など使い五感すべてを刺激してより美味しさを引き出そうとするの料理人達の試行錯誤とこだわりを知ることが出来て面白かった。

美味しさのための一風変わった演出をし、一種の芸術作品を作り上げている様子を読んでいると食事がこんなに複雑になるのかと驚いた。

 

この研究が進んでいくと食事は完全に娯楽になって、霞を食べるて生きるなんてことが出来たりするのだろうかと空想する。

【本】キラキラ共和国

「ツバキ文具店」の続編。

 

主人公の鳩子は結婚し、母親になりと自身の環境も変化しながらも一風変わった手紙の代筆依頼を受けている。家族と仕事の中で気づき学びながらゆっくりと進んでいる様子が読んでいて穏やかな気分になる。

前作も感じたが食べ物の描写が多い作品だなと思う。話の半分は食べ物の話だったかな?と感じるぐらい強く印象に残っている。

 

文字には性格が出ると言う話はよく聞くが、文字を変えると性格に影響は出るのだろうか?とふと思った。

【本】ツバキ文具店

鎌倉で文具店兼代書屋を営む雨宮鳩子。

依頼人の想いを手紙に載せていきながら、そして確執のあった亡くなった祖母の想いを知っていく物語。

 

依頼人の為にどの筆記具を使うか、便箋は何にするか、どんな文字で書くのか切手のデザインと一通の手紙を書くために細やかに選別し丁寧に仕上げていく様子はとても素敵だと感じた。

実際にこんな仕事はあるのだろうか?あったら良いなぁと思う。

 

手紙どころか暑中見舞いや年賀はがきも書かなくなったし、文字を書くこと自体もかなり減った。字が綺麗ではないから楽だと思っていたが、ペン字始めてみようかなと考える。

【本】魔女たちは眠りを守る

10年に1才年を取る魔女とひとの子の営みを見守る物語。

 

長い時間を生きる魔女が世界のあちこちでひっそり生き、そして魔法でひとの子の幸せの手助けをしている。

生きる時間が違うので見送る事が多くなる寂しさを感じ、それでも導き見守る魔女達の優しさが印象的なゆったり読める一冊だった。

移り変わっていく中で、自分だけは覚えているというのはどんな気分なのだろうと思う。

【本】民俗学入門

人々の日常から世界を見る学問「民俗学」。その民俗学的視点の衣食住などについて解説してある入門書。

 

民俗学と聞くと妖怪や呪いが思い浮かんでいたが、この本を読むと生活の些細な事も研究対象になっているのだと初めて知った。

暮らし・仕事・コミュニティと生活についての学問なので今の私の生活も資料となり得るだと思うと面白いなと感じるし、そういった事柄にも深く考える人間の好奇心や探究心は底なしだなと感じた一冊だった。